マイコプラズマ肺炎とは、どんな病気?
名前を見ると、なんだか重い病気のような印象ですが、実際のところはどうなのでしょうか。
特徴的な症状や、どれくらいの感染力なのかについてお伝えします。
マイコプラズマ肺炎とは?
マイコプラズマ肺炎とは、マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)という微生物が肺に感染しておこる病気。
微生物ということで、ウイルスや細菌とは大きさも性質も異なります。
細胞壁をもたないので、細菌にある壁を壊して抗菌するペニシリン、セフェムなどは効果がありません。
マクロライド系の抗生剤で治療することが多いですが、マクロライド系の抗生剤が効かないマイコプラズマ肺炎も増えてきました。
肺炎と聞くと、重症なのでは?と思ってしまいますが、重症化することは少なめ。
ただし、マクロライド系の抗生剤が効かなかったり、気管支炎や気管支喘息を合併すると入院が必要になることもあるので要注意。
かつては「異型肺炎」、「オリンピック肺炎」と呼ばれたりもしていました。
なぜオリンピック肺炎かというと、ちょうどオリンピックが開催される年に、4年周期で大きな流行を繰り返していたため。
4年に一度の周期は今では崩れており、2000年以降はマイコプラズマ肺炎の発生数は、毎年増加傾向にあります。
マイコプラズマ肺炎はどんな症状?
一番の特徴は、しつこく、激しい咳です。
ほとんどすべての人にあらわれる症状で、とくに夜間に咳が激しくなります。
他には、
- 発熱(37度台の微熱~39度以上の高熱まで様々)
- 鼻水
- 鼻づまり
- 全身の倦怠感
などがあります。
熱が下がってもしつこい咳が続き、1カ月以上長引くこともあります。
診断書などは必要なく、解熱して1~2日たてば登園・登校が可能とする場合が多いですが、咳が落ち着くまでは無理は禁物。
激しい運動は控えた方がよいでしょう。
マイコプラズマ肺炎は赤ちゃんや大人にもうつる?
マイコプラズマ肺炎に特にかかりやすいのは6~25才と言われていますが、こどもから大人まで、幅広い年齢層でかかります。
赤ちゃんが感染した場合は、軽い風邪程度で済むことがほとんど。
秋の終わりから早春にかけて感染者が多くなります。
一度マイコプラズマ肺炎に感染・発症しても、十分な免疫ができないので、何回もかかることがあります。
(毎年かかる、という人もいたりします・・・(;´Д`A )
大人の場合は多少は抵抗力がつきますが、長くは免疫を維持できないというやっかいな特徴があります。
潜伏期間が2~3週間と長いので、家庭内や幼稚園・保育園・小学校内で小流行することも。
マイコプラズマ肺炎の予防法
一般的な風邪予防と同じで、
- 流行している時期には人ごみを避ける
- うがい・手洗いの徹底
- 栄養バランスの取れた食事
- 十分な睡眠
を心がけるのが大切。
マイコプラズマ肺炎は、咳や唾液でうつる飛沫感染。
100パーセントの予防はできませんが、マスクをすることも有効です。